運送業の運行管理者とは?仕事内容・資格要件・選任義務を徹底解説

query_builder 2026/10/02
コラム
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一般貨物自動車運送事業を営むうえで、重要な役割を担っているのが「運行管理者」です。

運行管理者は、ドライバーの安全な運行を確保するため、点呼、乗務割の作成、運転者への指導・監督、運行指示など、運送会社の安全管理に関わる幅広い業務を担当します。

特に、巡回指導では運行管理体制や各種記録が確認されるため、運行管理者が適切に選任され、日々の業務が適正に行われていることが重要です。

今回は、一般貨物自動車運送事業における運行管理者について、仕事内容、資格要件、選任人数、補助者との違いなどを行政書士がわかりやすく解説します。

1.運行管理者とは?


運行管理者とは、事業用自動車の安全な運行を確保するために、運送会社の運行管理業務を担う担当者です。

自動車運送事業者は、一定の要件に従って運行管理者を選任する必要があります。

国土交通省によれば、運行管理者は「運行管理者資格者証」の交付を受けている者の中から選任することとされています。

また、複数の運行管理者を選任する営業所では、運行管理者の業務を統括する「統括運行管理者」を選任する必要があります。

つまり、運行管理者は単なる事務担当者ではなく、運送会社の安全運行を支える重要な立場です。

2.運行管理者の主な仕事内容

運行管理者の仕事は多岐にわたります。

代表的な業務として、次のようなものがあります。

① 点呼の管理

ドライバーが乗務を開始する前や乗務終了後などに行う点呼について、適切に実施されるよう管理します。

点呼では、酒気帯びの有無、健康状態、疲労状態、車両の点検状況など、安全運行に必要な事項を確認します。

点呼については、当サイトの「運送業の点呼とは?」の記事でも詳しく解説しています。

② 乗務割の作成

ドライバーの勤務状況や運行予定などを考慮し、安全に運行できるよう乗務割を作成・管理します。

無理な運行計画を組んでしまうと、過労運転などにつながる可能性があります。

そのため、運行管理者には法令を理解したうえで適切な運行計画を管理することが求められます。

③ 運行指示

運行内容に応じてドライバーに必要な指示を行います。

長距離運行や予定外の変更などが発生した場合には、運行状況を把握しながら適切に対応することが重要です。

運行指示書については、当サイトの「運送業の運行指示書とは?」の記事も参考にしてください。

④ 運転者への指導・監督

運行管理者は、ドライバーに対する安全運転や輸送安全に関する指導・監督にも関わります。

新人ドライバーだけでなく、継続的な教育・指導を行い、その内容を適切に記録・管理することが重要です。

⑤ 各種記録の管理

運送業では、点呼記録、乗務記録、運行指示書、教育記録、運転者台帳など、多くの書類を適切に管理する必要があります。

これらの記録は、日々の運行管理が適切に行われていることを示す重要な資料となります。

3.運行管理者は何人必要?

一般貨物自動車運送事業では、営業所が管理する事業用自動車の台数に応じて、必要な運行管理者数が定められています。

国土交通省の案内では、貨物自動車運送事業について、

  • 29両まで:1人

  • 30両~59両:2人

  • 60両~89両:3人

  • 90両~119両:4人

というように、30両ごとに必要人数が増える基準となっています。

したがって、車両を増車するときには、運行管理者の必要人数についても確認しなければなりません。

「車両を増やしただけだから問題ない」と考えていると、運行管理者の選任人数が不足する可能性があります。

なお、5両未満の営業所については、一定の条件のもとで運行管理者の選任義務が適用されない場合があります。

ただし、適用条件がありますので、自己判断せず、管轄運輸支局などに確認することが大切です。

4.運行管理者になるための資格要件

運行管理者になるためには、原則として運行管理者資格者証が必要です。

貨物自動車運送事業の場合、代表的な資格取得方法は「運行管理者試験に合格すること」です。

国土交通省の案内では、貨物の運行管理者について、試験合格のほか、一定の実務経験と講習受講による資格要件も示されています。

一定の実務経験による資格取得については、貨物自動車運送事業等の運行管理に関する実務経験を通算5年以上有し、その間に所定の講習を5回以上受講することなどが要件となります。

ただし、資格要件は細かな条件がありますので、実務経験だけで判断するのではなく、現在の制度を確認することが必要です。

5.運行管理者試験を受験するには?

運行管理者試験については、受験資格にも注意が必要です。

国土交通省によれば、貨物の運行管理者試験では、一定の実務経験または基礎講習の受講などが受験資格に関係します。

そのため、

「運行管理者になりたいから、いきなり試験を受ける」

というのではなく、

  1. 受験資格を確認する

  2. 必要であれば基礎講習を受講する

  3. 試験を受験する

  4. 合格後、資格者証の交付手続きを行う

  5. 営業所の運行管理者として選任する

という流れを確認しておくことが大切です。

6.運行管理者と補助者の違い

運行管理者をサポートするため、「補助者」を選任することもできます。

国土交通省によると、補助者は、運行管理者の業務を補助するため、国土交通大臣が認定した講習を受講した者などから選任することができます。

ただし、補助者は運行管理者そのものではありません。

補助者を選任しているからといって、運行管理者の選任義務がなくなるわけではありません。

また、補助者を選任する場合には、職務や選任方法などを運行管理規程に明記することも必要です。

7.運行管理者は「名前だけ」ではいけない

運送会社の中には、

「資格を持っている人を運行管理者として届け出ておけば大丈夫」

と考えてしまうケースがあります。

しかし、運行管理者は、実際の運行管理業務を適切に行うことが重要です。

例えば、

  • 点呼が適切に実施されているか

  • 点呼記録が正しく作成されているか

  • 運転者の健康状態を確認しているか

  • 乗務記録が適切に管理されているか

  • 運行指示が適切に行われているか

  • 教育・指導が実施されているか

  • 運転者台帳が適切に管理されているか

など、日々の管理体制が重要になります。

特に巡回指導では、運行管理者の選任状況だけでなく、実際の運行管理が適切に行われているかを確認できるよう、各種記録を整えておくことが大切です。

8.運行管理者講習にも注意

運行管理者を選任した後も、講習について注意が必要です。

国土交通省によると、自動車運送事業者は、選任する運行管理者について、原則として2年に1回、運行管理者講習を受講させる必要があります。

講習には、基礎講習、一般講習、特別講習などがあります。

事故など一定の場合には、特別講習の対象となることもあります。

運行管理者を選任したら、

「資格を取得したから終わり」

ではなく、必要な講習を継続的に受講しているかを管理することが重要です。

9.運行管理者に関するよくある質問

Q1.運行管理者はドライバーと兼務できますか?


一定の条件を満たせば、運行管理者と運転者を兼務するケースがあります。

ただし、営業所の運行管理体制や勤務実態などによって判断が必要になるため、単純に「兼務できる」と考えるのは危険です。

Q2.運行管理者が退職した場合はどうすればいい?

運行管理者が退職した場合には、必要な人数を確保できるよう、速やかに後任者の選任を検討する必要があります。

運行管理者が不足した状態を放置しないことが重要です。

Q3.車両を増やすと運行管理者も増やす必要がありますか?


車両数によって必要な運行管理者数が決まるため、増車によって必要人数が変わる場合があります。

特に30両、60両などの基準を超える場合には注意が必要です。

Q4.運行管理者の選任・解任は届出が必要ですか?

運行管理者を選任・解任した場合には、所定の届出を行う必要があります。

届出様式については、管轄運輸支局などで確認できます。

10.運行管理者の管理体制を見直しましょう

運行管理者は、運送会社の安全運行を支える中心的な存在です。

単に資格者を選任するだけではなく、

「誰が」
「いつ」
「どのように」

運行管理を行っているのかを明確にしておくことが重要です。

特に、

  • 点呼

  • 乗務記録

  • 運行指示書

  • 運転者台帳

  • 教育・指導記録

  • 運行管理者の講習

などは、それぞれ個別に管理するのではなく、会社全体の運行管理体制として整備することが大切です。


まとめ

運行管理者は、一般貨物自動車運送事業を安全に運営するために欠かせない存在です。

運行管理者には、点呼、乗務割、運行指示、運転者への指導・監督、各種記録の管理など、さまざまな業務があります。

また、営業所が管理する車両数に応じて必要な運行管理者数が定められているため、増車や営業所の新設・変更を行う場合には注意が必要です。

運行管理者の選任や日々の運行管理について不安がある場合は、早めに専門家へ相談し、問題が発生する前に体制を整えておくことをおすすめします。

行政書士福原総合事務所では運送事業者様をサポートしています

行政書士福原総合事務所では、一般貨物自動車運送事業者様を対象に、運送業許可だけでなく、事業報告書、各種変更手続き、巡回指導に向けたサポートなど、運送事業に関するさまざまな手続きをサポートしています。

代表は、ドライバーから運行管理者、運送会社役員を経て行政書士となった経験があります。

そのため、単に書類を作成するだけではなく、運送会社の現場で実際に何が必要なのかを考えながら、事業者様に寄り添ったサポートを行っています。

運行管理体制や巡回指導についてお困りの運送事業者様は、お気軽にご相談ください。

対応地域:関東全域

※運行管理者の選任基準・資格要件・講習制度等は法令改正等により変更される場合があります。実際の手続きについては、最新の国土交通省・管轄運輸支局の情報をご確認ください。

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